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ライ麦畑の向こう側

解体新書と備忘録です。

或る阿呆の土曜日

きながらにして眠るというのは、ある意味人間の限界を超える
誰しもが憧れる所業ではないかと思う。

僕は、まさにいま、それをやってのけた。
いとも簡単に、布団にくるまってね。




視界から入ってくる情報はあまりにも多すぎて、何度も何度も目を瞑ると
今度はやかましい貶めの声が聞こえて来るのだ。
これは誰だろう?なんて思っている間に、僕の口は「勝たなきゃ」と
口癖のようにつぶやき始めている。

勝つってなんだろう?誰と争っているんだ?
「ここだけは負けらんねえ…!」と、太陽に向かって吠える訳だけど、
負けていい場面なんて本当にあるのだろうか?負けていい日はあるのか?


一番幸せなのは、何にもない土曜日に
ただただ太陽が落ちていくことを眺めながらテレビをつけ放して、
何が流れてこようと聞こえてこようと、布団にくるまってチョコを齧ることだ。
それが勝ちであって、負けであって、起きながらにして眠ることだ。
そういうものじゃないのかな、とふと思ってみる。




「毎日が、こんな風であればいいのに」と名探偵コナンに。
「どうだか、仕事があるしね」と、わけ知り顔で僕が。




僕が働かなきゃならないかな、と仕事を意識し始めたのは高校生のときで、
そのときの僕は美容師になりたいと思っていた。
なんでだろう、と思い返すのだけど、尤もらしい理由なんてほとんどなくて、
ただただ中学校の野球部5厘時代から反動のように蓄えてきた髪の毛を愛おしみ、
髪の毛いじることが毎日の楽しみみたいになっていたからだ。

「好きなことを仕事にするのがいいじゃん。最高じゃん」
そういう感じ。とてもストレートで我ながら気持ちよくて愛している。


結局、「髪の毛で世界を幸せにしたいんだ!」という僕の言葉の奥底に、
オラ、大学受験したくねえんだ!)という孫悟空よろしく横たわる
イノセンスの塊を兄貴に見透かされていて。
真冬にバイクで連れ出されて、久しぶりに兄貴の背中を感じながら諭されるという、
一つ屋根の下のサボテンの花が流れるようなドラマを経験してから、僕の考えは
すっかり「大学いって、幸せになるんだ!」と変わってしまっていた。


大学にいっても結局何をするわけでもなく、俺が世界を変える!という
勘違いも甚だしい野望に燃えて就職活動に望むわけで。
一般的に言われる華やかな業界に入って、したり顔で仕事をしてきた。

そんでもって、晴れて全く別業界の今の仕事に転職をしてきたのだ。
同じように、俺が世界を変えてやる、とニヤニヤしながら。







ここまで書いていて笑ったのだけど、おそらく僕は勘違いで全ての
物事を決めていて、それが正しいと完全に信じ切ってここまで進んできていた。

しかも、幸運なことにそれが全て思った通りに進んできていて、
驚くかな最高の道筋を辿ってきているのだ。

これは多分これからも同じように進んでいくわけなのだけど、変わらずに前を見て、
「絶対これだわ、間違いない。これしかありえないからやってやろう」と、
虎視眈々と世界を目に見据えているのだ。


だから、なんで転職したの?って聞かれると、
「胸をはれる仕事がしたいから」と小学5年生の百点満点の返答をしている。

難しいことはよく分からない、けど、出来ると口に出せばなんでも出来る。







つい最近、ある本を読んでいてすっかり忘れていた習慣を思い出した。
僕が常々嫌いと言っている、いわゆる本の読み方に関する本みたいな類だけど、
その本に関しては割りかし読んで悪くなかったな、と思える本だった。

自己啓発書を読んでベンツを買った話

自己啓発書を読んでベンツを買った話

 

タイトル見て「まじかよ」と思い、内容よんで「まじかよ」と思った。
ネタバレするから(別に気にしないからいいだろうけど)言わないけど、
なんでも文字にしろ、向き合え、というものが大体の内容で。


ああ、そういえばずっと僕は言葉にしていたし文字に書いていたな、と
昔の性格を思い出して、すぐさま手帳に20代の目標を書きくだしたのだ。


言葉に向き合えば、自ずから道が見えてくる。
孫さんとか三木谷さんみたいな偉人ではないから重みはないけど、
そうやって僕は勘違いを実現させてきたのだ。


だから、世界を変えてやる、といまの仕事を選んだ僕としては
やっぱりニヤニヤしながら着々とその準備をしているのだ。











さて、そんな僕が手帳に一番最初に書いた目標はというと、



「マイルでニューヨークに行く」だ。



ああ、目標を叶えるのはなんて楽しいんだろう!






今週のお題「今の仕事を選んだ理由」、おしまい。