ライ麦畑の向こう側

解体新書と備忘録です。

自然に負けたい。いい意味で。

今週のお題「海外旅行」



海外旅行にいきたいなあなんつって呑気にカレンダーみてたら、いよいよ夏が迫ってきていることに気がついた。


6月は気の抜けた風船みたいにふわふわしてたけど、7月は激動の予感をビシビシと感じている。そろそろやらなきゃならんと思っていたことは、この一ヶ月で全て片付けなければならない。いよいよだ…いよいよ夏が来たのだ。


目下重要なことはといえば、”夏休み、取得できるのか問題”である。


いろんな理由があるのだけど、去年の爆弾を抱えたままでかけたハワイ旅行の教訓から、今年は何が何でも不安を潰してからでかけたいと思っている。
それを考えると、もはやピンポイントでしか休むことができず、ここに何かはいれば一発アウトというわけだ。


つまり、ここ1ヶ月の目標はというと、そこに入る予定を全てぶっ潰すこと。
男ならやってやれ、だ。


そんな夏休み、僕が最も心惹かれるのはヨーロッパのバカンスといえばおなじみの、クロアチアは”ドゥブロブニク”。何の気なしに検索すると、まさかのjiji.comで広告企画をみつけた。


アドリア海の真珠」と比喩されるドゥブロブニク。
青い海に望んだ朱色の屋根群が、心の左下あたりを興奮でくすぐってくる。


大学までは「とにかくでかけたい!遠くまで!遠くまで!!!!」なんて思ってたけど、やっぱり社会人も慣れてくると「自然に負けたい」とだけしか思わなくなってくる。
そう「自然に負けたい」のだ。これ、永遠のテーマな気がする。



自然に圧倒される経験は、いつだって突然やってくる。
つい先日訪れた小豆島では、蛍を探しにいったはずなのに知らぬ間に信じられない量の星に圧倒されて首を痛めた。


自然はすごい。
無言で存在を否定し、そのあと優しい抱擁をかましてくる。
ふとした時に起こる虚しさは、自分…自分生きてるじゃん!とか思ってたちっぽけさに気付かされるからだ。



そしていまは、紺碧のアドリア海とテラコッタ色につつまれたい(どうやら、ドゥブロブニクのあの屋根色はこう呼ぶらしい)。海辺でのんびりずーっと遠くを眺めやって、ぐるっと回って自分の背中に気がつくくらいぼんやりしてたい。


今年はここで決まりだ。ドゥブロブニク。


そんなこと思っていた矢先に、バハマを見つけてしまった。
ピンク色の砂浜?おいおい、世の中はなんて罪なんだ…


そんなことを考えながら、僕はバスオイルを垂らした浴槽で「温泉最高」とつぶやくのだ。
サンキュー自然。


おしまい